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あるあるのエセ科学の影響

今日は水曜日。ふっとTVをつけたら、NHKの健康番組、【ためしてガッテン】をやっていたので、久しぶりに見ました。ためしてガッテンは、【あるある大事典】が健康TV番組ブームを起こしていた1-2年ほど前は、【スパスパ人間学】と3つセットでよく見ていましたが、あるあるのデータねつ造が発覚してからは、ご無沙汰。私らブームに弱い一般視聴者・一般生活者なんて、こんなもんでしょ(苦笑)。

久しぶりに見てみたら、以前と違って、結論が地味でつまんなくなったなーという印象。ビタミンの働きの解説がテーマだったのですが、結論は、【ビタミンには水溶性と脂溶性があって、脂溶性は摂りすぎ注意。摂りなさすぎも害があるから、ほどほどに。サプリを飲む時は用量・用法を守りましょう】。

えっ、そんだけ?そんなん、ちょっとしたサプリや健康マニアなら常識中の常識。野菜のソムリエ、ジュニアマイスターでも、基礎の基礎の栄養学でもっと詳しく習う知識ですがな、とがっくり。

でもね、この”TV健康番組が地味になってる”傾向は、本業のほうで、いろんなTV健康番組関係者や、美容・健康業界、さらに厚生省関連の方々から聞いてはいました。なぜなら、あるあるデータねつ造事件以降、厚生省や健康業界の自主規制の締め付けが厳しくなっていて、

【特にTVというたくさんの人に影響を与える”公”の場では、●●でやせるとか●●で健康になるとか●●で美肌になるとか。確実な実験データがない限り、言い切ってはいけない。仮説オンリーではダメ】

とのこと。でもねえ、面白そうでセンセーショナルな健康・ダイエット・アンチエイジング情報なんて、確実な実験データなんかないものがほとんど。

欧米の最新流行ダイエット法のネタとか、どっかの怪しい医師やら美容ビジネスやってる人が言い出したことだったりとか。実験データはないけど、なんとなく効果がありそうな説得力のある仮説、というのが一番面白くて、TV的に”画になる”んですよね。

だから、しっかりした確実な実験データを、といわれると、TV番組の作りようがない。このためしてガッテンみたいに、無難な常識を地味に”わかりやすく”伝えていては、民放では視聴率が取れないからダメ。

ということで、最近TV番組は”健康・ダイエット・アンチエイジング”を扱えなくなり、思いっきりTVも打ち切り決定。朝はビタミンもダイエット中心企画だったのにグルメ番組にシフトしている、というわけなのです。みのもんたが同枠後続番組の司会者として続投なのも、打ち切りは彼のせいではなくて、番組の健康企画がこの締め付けでつまんなくなったからと、TV局が思っているからでしょう。

さて、今、1-2年ほど前のTV健康番組ブームを冷静に振り返るに、なんであれがあそこまでブームになったかというと、

★面白そうな健康・ダイエット・アンチエイジングの仮説を、”実験データらしき”ものを勝手に作り上げ、”データの裏づけのある科学”に見せかけて説得力を増していた”エセ科学”だった

からだと思います。具体的に、例えばあるあるはこんな具合:

1)結論の仮説を、よりセンセーショナルに具体的に簡単実践できるよう、一般生活者にわかりやすくウケやすくぶちあげる
「納豆を1日2パック食べ続けるとやせる」

2)その仮説を”科学的”に見せて説得力をあげるために、実験とデータらしきものをくっつける
「食べ続けた人、食べなかった人3人ずつで”実験”して、1週間後の体重の差を比較」

3)食べ続けた人グループのほうが平均ー1kgやせた。だから結論は、
「納豆でやせた」

ここでは、1)が”仮説”、2)3)の部分が”実験データ”なのですが、これをでっちあげていたのでデータねつ造で大問題に。でもこれ、仮にでっちあげでないデータだったとしても、理系や実験や調査に詳しい人からみると、”確実な実験データ”ではない、だからあるあるは、”科学”ではない”エセ科学”だったのです。”科学”とは、基本的に”確実なデータ=再現性のある実験データ”、を求めるものですから。

まっ私はエセ科学だとは判ってはいましたけど、話半分、いや8割引きで聞いて、楽しんでました。特に実験データのいんちきっぽいとこを突っ込むのが楽しかったり、確実なデータはなくても結構役立ちそうな、目新しい”仮説”もたまにはあったから。

それにあるあるの”功績”として、理系や研究者の判りにくい専門用語と理詰めの理論を、生活者言葉でわかりやすく図解・説明、ネーミングしてくれて実践しやすくしてくれたってところは、評価できる部分もあると思う。あるある3分間有酸素運動なんて、サーキットトレーニングというスポーツ選手の間では定番ダイエット・筋トレ法。それを言い換えて簡単に説明しただけで、あっという間にブレイク、定着しつつありますもんね。

でも同時に、こんなエセ科学や低レベルの”うそ臭いデータ”で、こんなにたくさんの人がスーパーに走って踊らされるんだっと、空恐ろしくも思っていました。世の中、エセ科学に洗脳されやすい人、自分の頭で考えずになにかに依存したい人って多いんですね。私もときどきだまされちゃうけど、基本的に疑り深くてデータ・ロジックも重視するので、あまりお金は貢がないし洗脳もされません(笑)。ブームの時も、スーパーには走らなかったです。

さて、本題にもどって、じゃあ、”確実な実験データ”って、なに?それは、理系・調査用語(?)でいえば、”再現性のある実験データ”、なんだけど、うーん、わかりにくいよね。一般生活者言葉でわかりやすく言ってしまえば、あるあるみたいに、たった3人+3人=6人でい1週間とかの実験結果では、人数が少なすぎて結果があてにならない。納豆を食べた3人が、”たまたま”または”別の原因(TVで体をさらすから、緊張してやせたとか、ねっ)”で、痩せたのかも。だから、私が納豆を食べたとしても、同じようにはやせないかもしれない(再現性がない)ということなんです。

確実な再現性のあるデータをとるには、年代別、数百人ー数千人に数年間、納豆を食べ続けさせたグループと食べさせないグループに分けた、大規模な量的調査をやらなきゃいけない等。まあこういう調査なら、最低一千万円以上はかかります。

(注:この大規模量的リサーチ以外にも、有名専門誌に論文を発表したり、学会で認められたりといった、お金のかかる実験・調査・査読が再現性証明には必要です。が、具体的にどんな調査が必要なのかは、目的(薬・コスメ・ダイエット食品のどれの認可か等)や業界、リスクレベルで違いますので、いちがいにいえません。ただ、確実なデータをとるのには、莫大なお金と時間がかかるというのだけ、イメージしてください)

でもね、こんな”確実な実験データ”、普通は存在しないし、自分たちで実験する予算も時間もない。でもなんも”データなし”では、説得力がない。じゃあ、ないよりましだろっ!という感じで、3人+3人とかのお手軽”実験”を自分たちでやって”データ”らしきものを作り上げていた。

または、どこぞの医学博士や医師が言ってる”仮説や研究結果”をひっぱってきて、”医学博士や医師も言っている”という学位ブランドやら研究結果の都合のいいとこどりをデータ代わりにしてたり、ということをしてたんですね。どこも同じことをしてはいますが、あるあるはそのデータのレベルや人選が特に低い”データ・実験軽視”の態度が目に余りました。それがさらにエスカレートして、データや仮説までもでっちあげに走ったから、問題になったんです。

一応、ためしてガッテンの名誉のためにいっておくと、3つの健康番組のなかで、この番組だけはまだまっとうでした。さすがNHKで、実験結果や学説・仮説、医学博士や医師のレベルも、あまり胡散臭くないお堅いもの・人が多かった。

でもお堅いものは、面白くない。また、あるあるとスパスパが派手な仮説をセンセーショナルにぶち上げて健康ブームを起こしていたので、ちょっとそれに影響されて、”血液サラサラとどろどろ”とかわかりやすく派手なことを言い始めてしまい、インチキ健康ビジネスに利用されちゃったりしてましたけど。すっかりまた、いや、以前よりずっと、お堅い退屈モードになっていました。

ということで、今やTVの健康番組だけでなく、さらに、化粧品やダイエット食品業界にも、この”ちゃんとしたデータがなければ、派手な効果・効能・使用感をうたって、モノ・サービスを売ってはいけない”というプレッシャーは、きつーくなっているらしいです。まあうさんくさい仮説・モノ・サービス・人の多い業界なんで、それくらい締め付けてちょうどいいと思いますけどね。

ただね、ちょっとあるある擁護っぽいけど、一般生活者として思うだろう疑問が、

「こうしたお金と時間のかかる”確実な実験データ”がなくても、たとえ5-6人の”実験”だったとしても、なにもないよりましじゃないの?」

っていう、あるあると同じような考えかたじゃないでしょうか?また、

「そこまで確実なデータがなくても、”科学”でなくて”仮説オンリー”だったとしても、私は効きそうでよさげな新しいものだったら、いち早く自分で実験台になって試したいわ」、

って考え方は、特に美容・コスメマニアに多いと思うのです。私は一応理系の人間で調査のプロでもあるんで、実験データや科学的検証の大切さはたたきこまれているんです。が、それでも、確実なデータがなくても、新しい仮説やホリスティックな代替療法、最新のダイエットやアンチエイジング法の商品やサービスは、いち早く体を張って試してみたいっておもう、一般生活者のミーハーさ、好奇心もあるんですよね。

また、TV業界の方々からも本業の宣伝広告関連の仕事がらみでご相談を受けたりしているので、彼らの苦悩や立場、データのない新しいものに対する興味も理解はできる。

というわけで、なるべく健康被害などの危険性を避けつつ、実験データのない新しいダイエットやアンチエイジング法、さらにコスメやダイエット食品といったモノやサービスを試すために、私が心がけていることを、続編記事にしてみようかと。

ちょいとマニアックなテーマなんで、続編記事を読みたい方は、↓の2つのランキングクリックを押すことで、続編リクエストしてくださいな。クリック少なかったら退屈でしょうから、さくっと別記事にいきます。ではでは。

まだ3日めだというのに、ダイエットカテ1位になっちゃいました、ありがとう!
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8月 22, 2007 46アクティブエイジング全般 |

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